アメリカのポピュラー音楽史に偉大な足跡を残した二人組ダリル・ホール&ジョン・オーツ。
この二人はホール&オーツとして正式デビューする前に多数の録音音源を残している。
今回はその中でダリル・ホールが参加していたグループ「ガリヴァー」(Gulliver)の唯一のオリジナル・アルバムを紹介しよう。

元々は1969年に発表されたアルバムだ。
ダリル・ホールはこれ以前の1967年にテンプトーンズというバンドですでにレコードデビューを果たしている。イーグルスがNew Kid In Townという曲の中でホール&オーツをガキ呼ばわりしていたがプロミュージシャンとしてのキャリアはダリル・ホールの方がはるかに長い。
ガリヴァーはギターのティム・ムーアが中心になって結成されたバンドだ。他のメンバーはベース兼キーボードのトム・セラーズ。ドラムスのジム・ヘルマー。ダリル・ホールはボーカリストとして誘われて後から入ったらしい。トムとともにキーボードも担当している。プロデューサーはジョン・マダラとトム・セラーズ。
「アンジェリーナ」という曲ではダリルではなくティムがボーカルをとっているがはっきり言って下手くそだ。この曲のダリル・ホールが歌っているバージョンがホール&オーツの「パスト・タイムス・ビハインド」というアルバムに収録されているが聴き比べるとボーカリストとしての格の違いは明らかだ。
ティムがダリルを誘った時の説明がビートルズ風のロックバンドを目指したいということでこのアルバムは前期ビートルズ風のサウンドになっている。コーラスワークなどはイマイチだがダリルのリードボーカルは最高。カッコいい曲が多くよくまとまっていて聴きやすいアルバムだ。
オリジナルLPレコード盤はほとんど話題にならずすぐに廃盤となった。
日本ではホール&オーツがブレイクした80年代になってから「ダリル・ホール ファースト・ステップ」という邦題でLPが発売された。一応正規盤だがジャケットが変更され一部の収録曲も省略されるという納得のいかない内容だった。

CDの時代になってからは海賊盤が多数出回った。だが状態の悪い日本盤LPを元にした盤起こしなのでノイズは酷いわ収録曲は省略されるわ最悪だった。僕も騙されて買ってしまって貴重なお小遣いを無駄にした。
1998年になってからようやくまともなCDが出た。世界に先駆けて日本でこのアルバムのCD化が実現したのだ。ジャケットも収録曲数もオリジナルを忠実に再現。音質も良い。
この日本盤もすぐ廃盤になったがその後アメリカの正規盤CDが発売された。これは今でも普通に買える。