エアチェックという趣味があった。ラジオ放送をカセットテープやオープンリールテープに録音して保存するという趣味だ。
テレビの録画や録音もエアチェックというらしいが普通はラジオ、特にFM放送の録音を指す。テレビ録画のことをエアチェックと呼んでいる人に会ったことがない。
FM放送局は民放もNHKも番組内容をあらかじめ公表していたので、各局のFM番組表を新聞よりも早い時期に掲載して発売する「FM雑誌」という物が存在した。
番組表には放送予定の曲目が全て掲載され各曲の演奏時間まで詳細に記されているのだ。
エアチェックマニアたちはその番組表を見ながらステレオやラジカセの前に鎮座してお目当ての曲が掛かるタイミングで録音をスタートさせるという曲芸みたいなことを毎日やっていた。レコードが高くてなかなか買えなかった時代の趣味だ。
レコードでも入手できない内容が放送されることもあった。カルチャークラブやホール&オーツの来日コンサートが放送された時はエアチェックして何度も聴き返した。
当時はラジオ放送を受信するチューナーにしてもラジオにしてもタイマー機能は存在しなかったので基本的に放送の時は必ず録音機のある部屋にいる必要があった。不在中の録音を母親に頼んだら100%失敗する。
その悩みを解消するのがオーディオタイマーという機械である。

こんなの。

本体の後ろにはコンセントの差込口がありそこにチューナーやデッキなど録音時にスイッチオン状態になって欲しい機器を繋ぐ。お目当ての番組が始まる時間にタイマーがオンになるようにセットするとこれに繋いだ機器も連動でオンになり録音が始まるというわけだ。
この方法だと番組の丸録りは出来るがお目当ての曲だけ録音というわけにはいかないのが悩みの種であった。
またデッキによっては電源がオンになっただけではどうやっても録音スタートにはならない機種もあった。

自宅にあるオーディオタイマーはAKAIというメーカーの30年以上前の製品だ。買ったのは父親だが使いこなせず自分一人で使っていた。
FMレコパルの1984年増刊号で紹介されている。

この雑誌は今読んでもなかなか楽しめる。

AKAIのタイマーは当時11200円もしたようだ。

驚きの高値だがこれでも比較的安い製品なのだ。
あの頃は家電もオーディオもなんでも高かった。
CDプレーヤーの一番安い奴でも99800円という時代だ。

このタイマーは最近までラジカセでラジオを聴く時のスリープタイマーとして重宝していた。

だが去年パナソニックのスリープタイマーつきラジオを購入したので使わなくなった。
意外と便利な機械なのでまた使うこともあるだろう。
それにしても30年以上も使えるとは驚きだ。このタイマーが壊れる前にメーカーのAKAIの方が先に消滅するとは思わなかった。
FMレコパルも消滅してしまった。とても残念だ。
・・・と思っていたがAKAIブランドはひっそりと復活していた。レコードプレーヤーなどを発売しているようだ。
FMレコパルも2014年に一号限りではあるが復活した。増刊号みたいに年一回の発売なら定期刊行しても売れるのではないだろうか。